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大阪市
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大阪市(おおさかし)は、大阪府中部に位置する市。大阪府の府庁所在地であり、政令指定都市である。

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大阪市(おおさかし)は、大阪府中部に位置する。大阪府の府庁所在地であり、政令指定都市である。

西日本および近畿地方首位都市であり、経済文化交通の中心都市。また、京都市神戸市を含めた、世界有数の経済規模を誇る京阪神大都市圏の都市中枢を成す。市域は24の行政区からなる。市庁所在地は北区中之島(淀屋橋)。市域に多数の河川を有し、歴史的にも港湾機能や河川交通が発達していたことから水都の異名を持つ。4世紀に都として難波宮が置かれて以降、およそ1700年に及ぶ歴史を有する。現在では、商業国際観光などが盛んな[1]アジアにおける世界都市である。

大阪市の都市としての源流は弥生時代後期〜古墳時代に遡る。日本書紀によると、第15代応神天皇が行宮として難波大隅宮を整備したとされている。その後の第16代仁徳天皇は難波高津宮を皇居とし、その後国内流通の中心である住吉津難波津が開港され、本格的に都市としてのスタートを切ることになった。後に我が国の都として難波宮が整備されたが、その後の度重なる遷都により、首都は現在の奈良県京都府などに移ったため、その後は主に商都として歩むことになる。

市域を中心(首位都市)として、大阪都市圏および京阪神大都市圏を形成している。大阪市の2016年度の市内総生産は約20兆円で[2]、日本国内では東京区部に次ぐ規模を誇る。これは政令指定都市中最大であり、北海道千葉県兵庫県など1つの道府県県内総生産を上回り[3]、約370万人の人口を持つ横浜市の約1.5倍の市内総生産である[4]。また、京阪神大都市圏は圏内総生産約80兆円、世界7位の経済都市圏である[5]

夜間人口は約275万人(全国2位)、人口密度政令指定都市中1位(全市町村中5位)、昼間人口は市外から多くの通勤・通学者が流入するため、約354万人である。面積は、全国に20市ある政令指定都市の中でも川崎市堺市さいたま市に次ぎ4番目に小さい。これは横浜市のおよそ半分、名古屋市のおよそ3分の2程度であるが、行政区が24区と政令指定都市中最多であるため面積が10km2に満たない行政区が多い。近年では都心回帰が顕著で、大阪都心6区や都心9区を中心に人口が増加しており、西区城東区では人口密度が2万人/km2を超えている。

古代より瀬戸内海大阪湾に面した立地から、住吉津難波津などの港を持ち、港湾都市、国内流通の中心として栄え水の都と称された。中世には、渡辺津浄土真宗本山であった石山本願寺が置かれ、寺内町として商工業が発展。近世初期には、古代から生国魂神社や難波宮が存在した上町台地の先端付近に豊臣秀吉大坂城を築城し、城下町が整備された。江戸時代には天領となり、経済・交通・金融・商業の中心地として発展。堂島米市場が置かれ、当時の経済の中心であった米の中央市場として機能した。大坂は天下の台所と称され、商業の町で豊かな町人文化(上方文化)を育んだ。明治時代に入ると、繊維工業(船場の繊維問屋街なども有名)を中心とした工業都市となり、「東洋のマンチェスター」「煙の都」と称された。

1925年に第2次市域拡大を行い、人口は211万人に到達。当時の東京市を上回り、面積・人口・工業出荷額において日本1位、人口世界6位の大都市へと成長した。この時代を「大大阪時代」と呼ぶ[6][7][8][9]1923年に都市計画学者である關一が第7代大阪市長に就任すると、關は堺筋に代わる市のメインストリートとして、御堂筋の拡張・整備を行い、その地下に日本初の公営地下鉄である大阪市営地下鉄(現在の大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)御堂筋線の一部(梅田駅-心斎橋駅)を建設するなど、現在につながる大阪の基礎を作り上げた。他方で、卸売業を中心に商業活動も活発であり、道修町(薬種)、松屋町(玩具)、本町(繊維)など市内各所に江戸時代からの歴史を持つ問屋街が発達している。

Osaka Metro御堂筋線が市内交通における大動脈として機能しており、新大阪駅-梅田駅-難波駅-天王寺駅といった重要な駅を南北に結んでいる。また、在阪の大手私鉄5社の主要ターミナル駅は全て御堂筋線の駅と接続している。梅田を中心としたキタ心斎橋難波を中心としたミナミが2大繁華街として繁栄しており、商業の中心地として機能している。他にも天王寺新世界京橋十三などの繁華街を擁し、阿倍野・天王寺エリアにあるあべのハルカスは日本有数の超高層ビルとして知られる。中之島淀屋橋北浜界隈の大阪市の伝統的なオフィス街には、金融街が形成されている。また、梅田堂島中之島大阪ビジネスパーク (OBP) には超高層ビルが林立しており、華やかな都市景観を形成している。市役所が所在する中之島や、大阪府庁が所在する大手前周辺には、官公庁や公的機関が数多く立地している。

イギリスの調査機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが、世界の主要140都市を対象に行った調査「Global Liveability Index(世界住みよさの指標)」2019年度版において、ウィーンメルボルンシドニーに次ぐ世界4位、アジア1位の都市と評価された[10]アメリカシンクタンクが発表している世界都市ランキング「2020 Global Cities Index(世界都市の指標)」において、世界35位の都市と評価された[11]。イギリスのシンクタンクが発表した2021年の報告書「The Global Financial Centres Index(世界金融センター指標)」によると、世界32位の金融センターと評価されている[12]

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