
東京大学全体
東京大学は欧米諸国の諸制度に倣った[1]、日本国内で初の近代的な大学として設立された[2]。
憲章
東京大学には、特に創立時に明文化された建学の精神はない。しかし、国立大学法人化に伴い、現在は「東京大学憲章」[3]が定められている。東京大学憲章は、大学としての使命を公に明らかにすることと、目指すべき道を明らかにすることを目的として学内有識者会議によって制定されたものである。学部教育の基礎としてリベラル・アーツ教育(教養教育)を重視することを謳っている。
教育および研究の概略
教育研究とキャンパス
東京大学は、主な3つのキャンパスごとに教育内容・研究内容を異にする。教育内容の面では、主に教養課程を実施する駒場キャンパス、専門教育を行う本郷キャンパス、主に大学院課程の教育を行う柏キャンパスに分けられる。また研究内容の面では、学際的な研究を行う駒場キャンパス、伝統的な学問領域の研究を行う本郷キャンパス、新しい学問領域の研究を行う柏キャンパスに分けられる。こうしたキャンパス分立体制は、学部ごとにキャンパスを分立することの多い他の大学と比べると珍しい形態である。さらに、現在でも学部入学時の教養課程を分化して設置していることも、日本国内の大学では珍しい存在となっている。

大学全体
大隈重信が明治十四年の政変による下野後に設立した東京専門学校を前身とする四年制の大学である[1]。1920年(大正9年)に日本の私立大学では慶應義塾大学などと共に最も古い段階で大学令に基づく大学となった(詳しくは旧制大学参照)。2019年時点で、10の学術院のもと13学部・25研究科(大学院)を設置している[2]。国際交流が盛んで、特にアジアからの外国人留学生が多い。
大隈重信が明治の代表的な政治家の一人であり、イギリス流の政治経済学を中心とする大学をモデルに設計されていることから政治経済学部を看板学部とし、政治経済学部を中心に政界・財界に多くの人材を輩出しているのをはじめとして、出版、新聞、文学などの分野でも多くの卒業生が活躍している。英国の教育専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』による2017年の日本版ランキングでは、私大1位に認定された[3]。
早稲田大学は、東京専門学校時代から、文部省「特別認可学校規則」や専門学校令の特例適用、大学令による私立大学として最初期の認可などを受けてきた。政治学、法律学、文学、商学、理工学、教育学、芸術、スポーツなど様々な分野で、近代日本国家の教育・研究分野の形成をリードしてきた学校であり、上述の慶大と共に「私学の雄」と並び称され、私立大学の最高峰に位置付けられることが多い[4]。
同窓会は「稲門会」(とうもんかい)と称され、 早稲田大学校友会に登録している「登録稲門会」に限っても1300を超える団体が存在し、国内有数の学閥となっている。
建学の精神
1913年(大正2年)当時の総長大隈重信は、前身となる東京専門学校の創立30周年記念祝典において、早稲田大学教旨を宣言した。
「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」を基本理念としている。
早稲田大学教旨は、高田早苗、坪内逍遥、天野為之、市島謙吉、浮田和民、松平康国などが草案を作成し、大隈重信が校閲のうえ発表した。1937年(昭和12年)に教旨の碑文が早稲田大学正門前に設置された[5]。碑文の刻字は、前島密が1915年(大正4年)に揮毫した自筆が元であり、原本は大学に保存されている[6]。
戦後(1949年)、「立憲帝国の忠良なる臣民として」の14文字は「主権在民を謳った新憲法にふさわしくない」[7]として教旨から削除されたが、正門前の「早稲田大学教旨」の碑に刻まれた語句については「思想の変遷を知る歴史的文書としてそのままに保存することがかえって記念碑の趣旨に副う」[7]として削られることはなかった。現在、石碑は正門の外側左に移設され、大学の外から誰でも自由に見られるようになっている[8]。